2013年8月号 | 西武池袋線・西武新宿線・練馬区の賃貸はハウステーションネットワーク

2013年8月 熱中症における事例と対策

皆様、とても暑い夏が訪れましたね!ここ近年、熱中症の死亡者数が非常に多く
なってきております。
特に65歳以上の高齢者に多く発生しているようです。
基礎代謝も年齢とともに落ち、汗をかきづらくい体質となり、
体温変化にも体が対応しづらくなるようです。
特に、室内でも熱中症にはかかりますので、室温が26度以上になりましたら、
暑いと感じなくてもエアコンなどを入れて過ごす事をお勧め致します。


【熱中症の種類】
熱中症とは、暑い環境で生じる障害の総称で、次のような病型があります。
スポーツで主に問題となるのは熱疲労と熱射病です。

①熱失神
皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳血流が減少しておこるもので、
めまい、失神などがみられます。
顔面そう白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどもみられます。脈は速くて弱くなります。
②熱疲労
大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水がおこり、熱疲労の原因となります。
脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられます。

③熱けいれん
大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。
暑熱環境下で長時間の運動をして大量の汗をかく時におこるもので、最近ではトライアスロンなどで報告されています。

④熱射病
大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に、
足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴った痙攣死の危険のある緊急事態です。
体を冷やしながら集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。
いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、
現場での処置が重要です。

【熱中症の応急処置】
※熱中症では予防が大切です。
暑い時には熱中症の兆候に注意し、おかしい場合には早めに休むことです。
そして、万一の緊急事態に備え、救急処置を知っておきましょう。

①熱失神と②熱疲労の場合処置方法≪涼しい場所で水分補給≫
涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。
足を高くし、手足を末梢から中心部に向けてマッサージするのも有効です。
吐き気やおう吐などで水分補給ができない場合には病院に運び、
点滴を受ける必要があります。

③熱けいれんの場合処置方法≪生理食塩水を補給≫
生理食塩水(0.9%)を補給すれば通常は回復します。

④熱射病の場合処置方法≪体を冷やしながら一刻も早く病院へ≫
死の危険のある緊急事態です。
体を冷やしながら集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。
いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、
現場での処置が重要です。
熱射病が疑われる場合には、直ちに冷却処置を開始しなければなりません。
冷却は、皮膚を直接冷やすより、全身に水をかけたり、
濡れタオルを当てて扇ぐ方が、気化熱による熱放散を促進させるので効率がよくなります。

また、頸部、腋下(脇の下)、鼠径部(大腿部の付け根)などの大きい血管を直接冷やす方法も効果的です。
またとっさの場合、近くに十分な水が見つからない時の効果的な体の冷却法として、次のことを実行してください。
水筒の水、スポーツドリンク、清涼飲料水などを口に含み、患者の全身に霧状に吹きかけてください。
全身にまんべんなく吹きかけることにより、汗による気化熱の冷却と同じような効果をもたらします。
これらの液体は、冷たい必要はありません。
また熱射病では多くの合併症が起きますがそれらに対して集中治療が必要ですので、死の危険のある緊急事態です。
体を冷やしながら集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。
いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、現場での処置がとても重要です。

【人口統計・新聞記事による熱中症の実態】
わが国における熱中症の発生は軍隊や労働現場で発生するとされていましたが、近年ではスポーツ活動中や日常生活時に発生しています。
厚生労働省の統計(人口動態統計)で1968年から2004年までの37年間で熱中症死亡件数は5,079件で、年平均では139件です(図1)。
1994年には589件、2001年には431件、2004年には449件と多発し、近年増加する傾向がみられます。

男女別の比較では全体で男性は女性の1.6倍の発生数ですが、年齢階級別で比較すると(図2)、0〜4歳、15〜19歳、30〜59歳および65歳以上の群で多くの熱中症の発生がみられます。
15〜19歳は男性が多く、女性の12.9倍であり、スポーツ活動中の熱中症の発生が考えられます。
また、30〜59歳は男性が女性の6.9倍で、労働場面での発生です。
65歳以上では男性1に対して女性が1.2倍で、労働やスポーツ中での事故だけでなく日常生活でも発生しています。
近年、高齢者のスポーツ活動が盛んになっていますので、熱中症予防にも十分な注意が必要です。


所見
左記のグラフをご覧になっていただくと、1995年には300件でしたが2010年には1700件と約8倍に増えています。
日本が高齢化社会に入り、老人が増えた事の象徴のように感じます。
自分の体は自分でしか、守る事ができません。
ご家族の方と、一緒に体調管理を行う事が非常に重要です。
特に一人暮らしのご老人の方は、室内では体が暑いと感じなくても大きくて見やすい温度計を必ず用意して、室温が26度を超えたらエアコンをつけるようにする事をお勧め致します。
倒れた時には手遅れになる事がございますので、お気を付け下さい!

【夏季休業のお知らせ】
8月12日(月)~8月16日(金)までお休みさせて頂きます。
17日より通常営業を致します。